20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
何気なく飲んだビールが、自分のビール観を根底から変えてしまった…
そんな経験をしたことはありますか?
僕がはじめてその感覚を味わったのは、北フランスへの旅でのことです。
馬のイベントで修道院に立ち寄った際、修道士たちが長年受け継いできたレシピでつくるビールを一口飲んだ瞬間、言葉が出なかったんです。
複雑に絡み合う香りと、奥行きのある深い味わい。
それまで自分が「ビール」と呼んでいたものとは、まったくと言っていいほど別の飲み物がそこにありました。
あの体験がクラフトビールという世界への入口だったと気づいたのは、帰国してからしばらく後のことでした。
それまではクラフトビールが普通のビールと何が違うのかが、正直なところうまく説明できませんでした。
この記事を読んでくださっている人も、そう思っている人も中にはいるのではないでしょうか。
この記事では、私と同じように「なんとなく飲んだことはあるけど、内容はよくわからない」と感じている方のために、クラフトビールの意味と定義から、地ビールとの違い、大手ビールとの違い、体験談を交えながらお伝えします。
- クラフトビールの意味と定義(英語の語源も)
- 地ビールとクラフトビールの違い
- 大手ビールとクラフトビールが違う理由
- クラフトビールが面白い理由(体験談)
- 初心者向け、最初の1本の選び方とどこで買えるか
※この記事はお酒に関する内容です。20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。
飲酒運転はおやめください。妊娠中・授乳中の方もご遠慮ください。
クラフトビールとはどういう意味?

一言でいうと、「職人が少量丁寧につくった個性的なビール」のことです。
英語の “craft” には「手仕事」「職人技」「技巧」という意味があります。
大量生産・大量消費を前提とした工業的なビール製造に対して、小規模なブルワリー(醸造所)が個性とこだわりを込めてつくるビールを “craft beer”(クラフトビール)と呼ぶようになりました。
日本にはクラフトビールの法的な定義がない
実は、日本にはクラフトビールを定める法律上の定義がありません。
酒税法上は「ビール」や「発泡酒」などの区分はありますが、「クラフトビール」という区別はないんですよ。
そのため、どのビールをクラフトビールと呼ぶかは、つくり手や販売者によって微妙に異なる場合があります。
一般的には「小規模ブルワリーがつくる、個性的なビール」という意味合いで使われていると理解しておけば大丈夫です。
海外での考え方(ブルワーズアソシエーション)
アメリカのクラフトビール業界団体「ブルワーズアソシエーション(Brewers Association、通称BA)」は、クラフトブルワリーの条件を定義しています。
- 小規模であること
- 大手資本から独立していること
- 醸造免許を自ら持つこと
これら3つの条件が中心にあり、日本でもこの考え方の影響を受けてクラフトビールという言葉が広まりました。
参考:Brewers Association – Craft Brewer Definition
地ビールとクラフトビールの違いは?

「地ビール」という言葉、聞いたことはありませんか?
実は、クラフトビールと地ビールに法律上の違いはなく、どこに価値の軸を置くかで使い分けられている呼び方なんです。
その違いを棲み分けするとこちらのようになります。
- クラフトビール:「造り手の個性や技術」にフォーカスした呼び方
- 地ビール:「特定の土地らしさ・名物・観光土産感」にフォーカスした呼び方
つまり同じビールでも、「こだわりの職人ビール」として語るときはクラフトビール、「その土地の名物」として語るときは地ビール、というイメージです。
日本の業界団体による定義
業界団体の全国地ビール醸造者協議会(JBA)では、クラフトビール(地ビール)を要約すると次のように定義しています。
- 大手資本の大量生産ビールから独立したビール造りであること
- 1回の仕込み量が20kL以下など、小規模でブルワーの目が届く範囲で造っていること
- 伝統的な製法、または地域の特産品を活かした個性的なビールであること
このように、JBAは「クラフトビール」と「地ビール」をほぼ同じものとして定義していて、実務上もかなり重ねている点があります。
歴史的な経緯
日本では1994年に酒税法が改正され、それまでビール製造に必要だった最低製造量の基準が引き下げられました。
すると、全国に小規模ブルワリーが次々と誕生して、観光地のお土産・地域振興の象徴として「地ビールブーム」が起きます。
ただ、当時は品質が安定しないメーカーも多く、「地ビールって独特の癖があってあまりおいしくない」という印象が広まってしまいました。
その後、品質の高いブルワリーが増えていくなかで、海外で一般的だった「クラフトビール」という言葉が広まり、「こだわりの少量生産ビール」というポジティブなイメージを持つ言葉として定着していきました。
ざっくり言えば、「昔風の呼び名が地ビール」「今風の呼び名がクラフトビール」という面もあります。
現実には「ご当地性も強いし、中身もクラフト寄り」のビールも多く、きれいに分かれるというよりグラデーションのようになりますが、そこは厳密に区別しなくて大丈夫です。
普通のビール(大手メーカー)と何が違う?

コンビニやスーパーで並ぶ大手メーカーのビールと、クラフトビール。
同じ「ビール」ですが、いったい何が違うと思いますか?
大きく分けて、3つのポイントから解説します。
- 原材料の自由度
- 製法と規模の違い
- スタイルの多様さ
原材料の自由度
まず1つ目の違いとして大手メーカーのビールは、大量生産・安定品質・コスト管理を重視するため、使う原材料が基本的に統一化されています。
一方、クラフトビールは麦芽・ホップ・水・酵母という基本原料に加えて、フルーツ・スパイス・ハーブ・チョコレート・コーヒーなど、さまざまな素材を自由に組み合わせています。
この自由度こそが、クラフトビールの味わいの多様さを生む最大の理由となっています。
製法と規模の違い
2つ目の違いとして大量に多くのビールを生産できる大手メーカーと異なり、少量ずつ仕込むクラフトビールは、品質の細かいコントロールができます。
例えば無濾過(酵母や麦芽の成分をそのまま残す製法)や非熱処理のものも多く、フレッシュな風味を大切にしているブルワリーも多くあるんですね。
スタイルの多様さ
3つ目の違いは、大手ビールのほとんどがピルスナーと呼ばれるスタイル(黄金色・軽い苦味・すっきりとした飲み口)で、クラフトビールにはそれ以外にも、100種類を超えるビアスタイルが存在します。
ホップの苦味が豊かなIPA(インディア・ペールエール)、バナナのような甘い香りのヴァイツェン(小麦ビール)、コーヒーやチョコレートを思わせる深い風味のスタウトなど、 「ビールが苦手」という方でも、自分に合ったスタイルに出会えれば印象が変わることは珍しくありません。
だから、クラフトビールは面白い

その面白さは、僕自身の体験が一番よく語ってくれると思っています。
ビールを飲みはじめて30年以上になりますが、最初の数十年は「ビールはビール」としか思っていませんでした。
転機になったのは、北フランスへの旅です。
修道院に立ち寄ったときに、修道士たちが長年受け継いできたレシピでつくるビールを飲む機会がありました。
グラスを受け取った瞬間、鼻腔に届く香りが違い一口含んだとき言葉が出なかったんです!
それまで自分が知っていた「ビール」とはまったく別の飲み物がそこにあって、複雑に絡み合う香りと、奥行きのある深い味わい。
気づいたらグラスが空になっていたんですよね。
後から知ったのですが、こうした修道院でつくられるビールは「修道院ビール」や「トラピストビール」と呼ばれる、クラフトビールとは別の軸で定義される欧州の伝統的な醸造カテゴリーです。
ただ、小規模で独自のレシピと伝統的な製法を守り続け、量より質を重んじる姿勢、その性質はクラフトビールと重なる部分が多く、「クラフトの一種に近い存在」と見なしても大きくは外れません。
当時はまだ「クラフトビール」という言葉すら知りませんでした。
でも、あの「これはなんだ!」という感覚が、クラフトビールへ向かう扉を開いていたんだと、今は思います。
帰国後、国内外のブルワリーを探し歩き、これまでに150種類以上のビールを飲んできました。
ブルワリーの職人さんやホップの輸入業者さんと話す機会を重ねるうちに、醸造の背景やスタイルの違いへの理解がじわじわと深まっていきました。
今の夢は、いつか自分だけのオリジナルクラフトビールをつくること。
その日のために、まだまだ飲み歩いています。
この記事を書いているのも、あのフランスで感じた「これはビールじゃない?でもビールだ」という興奮を、もっと多くの人に知ってほしいからです。
150種類以上飲んで、それでもまだ知らない一杯がある。
だから、クラフトビールは面白いと僕は思っています。
最初の1本の選び方とどこで買える?

クラフトビールに興味を持ったとき、最初のハードルは「どれを選べばいいかわからない」ということだと思います。
種類が多すぎて迷ってしまいますよね、この感覚はかつての僕もまったく同じでした。
初心者が入りやすいスタイル
苦味が苦手な方には、ヴァイツェンかフルーティなペールエールから始めることをおすすめします。
- ヴァイツェン:バナナやクローブのような甘い香りが特徴の小麦ビール。苦味が少なく、ビール初心者でも飲みやすい
- ペールエール:ホップ由来のフルーティな香りが楽しめる。バランスがよく、入門スタイルとして定番
- ゴールデンエール:軽やかですっきりした飲み口。大手ビールからの切り替え口として自然に入れる
苦いのが好きな方はIPA(インディア・ペールエール)が定番です。
ホップの苦味と香りを全面に出したスタイルで、クラフトビール好きに根強い人気があります。
どこで買える?
- コンビニ・スーパー
- 通販・ネットショップ
- クラフトビール専門店・ビアバー
コンビニ・スーパー
のセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートでもクラフトビールが買えるようになっています。
まず手軽に試したいなら、ここから始めるのがいちばん気軽です。
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通販・ネットショップ
銘柄の選択肢が圧倒的に広く、国内外のクラフトビールを自宅で試せます。 飲み比べセットも豊富なので、いろいろ試したい方に向いています。
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クラフトビール専門店・ビアバー
ブルワリーが経営するタップルームや、専門のビアバーでは、複数のスタイルをその場で飲み比べながら店員さんに相談できます。
「苦いのが苦手なんですが、おすすめはありますか?」と聞けば、丁寧に教えてくれることが多いですよ。
よくある質問
まとめ

クラフトビールとは、小規模ブルワリーが職人技でつくる個性的なビールのこと。
法的な定義はないけれど、「大量生産の工業的なビール」に対して「こだわりと個性をもった手仕事のビール」という感覚で理解すれば十分です。
地ビールとの違いも、大手ビールとの違いも、結局は「同じビールでも背景にある考え方が違う」という話。
最初の1本を選ぶのに迷ったら、まずヴァイツェンかフルーティなペールエールから。
コンビニでも手に入るので、ぜひ気軽に試してみてください。
この記事が、クラフトビールを飲んでみたいという気持ちのきっかけになれば嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
それでは、カンパーイ!🍻
この記事の情報は2026年6月現在のものです。


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